出産後のお母さんと赤ちゃんの歯科の計画:お母さんの健診、母乳育児とむし歯
赤ちゃんが生まれると、お母さんが歯科に行く時間は少なくなります。産後のお母さんの健診の計画、母乳育児とむし歯の関係、赤ちゃんの歯ぐきのふき方から初めての歯科受診までを、前もってまとめました。
ひと目でチェック
- 産後のご自身の歯科健診の計画を
- 母乳育児はすすめられています。歯が生えたら授乳後にきれいに
- 歯が生えたら、夜間授乳のあとも歯をきれいに
出産が近づくと、赤ちゃんを迎える準備で忙しく、お母さん自身の歯科はつい後回しになりがちです。でも、赤ちゃんが生まれると、歯科に行く時間をつくるのはずっと難しくなります。今のうちに立てておきたい、お母さんと赤ちゃんの歯科の計画をまとめました。
出産の前後に、なぜ前もって計画しておくのでしょう
赤ちゃんが生まれると、授乳と睡眠、おむつ替えで一日がいっぱいになります。お母さんがひとりで何時間かつくって歯科に行くのは、なかなか大変です。ですから、先延ばしにしていた治療と産後の健診の計画を、今のうちに整理しておくとよいのです。
妊娠中に腫れた歯ぐきは、出産後たいていよくなります。出血やこぶが続くときは、歯科で確認してもらいましょう。また、妊娠中にできたむし歯や歯ぐきの炎症は自然には消えないので、体が回復したら、必ず健診を受けて確認しましょう。
母乳育児を考えているなら、むし歯が心配になるかもしれません。母乳育児は赤ちゃんの健康のためにすすめられています。 ただ、母乳で育つ赤ちゃんもむし歯になることはあります。特に、12か月を過ぎても夜間に何度も授乳することは、むし歯と関係があります。寝ているあいだはだ液が減り、歯に残った母乳を洗い流す力が弱くなるからです。授乳を減らしましょうということではなく、歯が生えたら授乳のあとに歯をきれいにしてあげることがポイントです。
お母さんと赤ちゃんの計画は、こう立てましょう
計画はおおげさでなくてかまいません。カレンダーやスマートフォンに「お母さんの健診」「赤ちゃんの初めての歯医者さん」の二つを書いておくだけでも、忘れずに準備できます。
お母さんの計画
- 出産前に受けられる治療は、前もって済ませておきます。
- 体が回復したら、お母さんの歯科健診を予約し、先延ばしにしていた治療を終わらせます。
- 授乳中も、歯科治療や局所麻酔は受けられます。受診の前に、授乳中であることを伝えます。
- 受診しているあいだに赤ちゃんを見てくれる人を前もって決めておくと、予約がずっとしやすくなります。
赤ちゃんの計画
- 生まれたら、授乳のあとに湿らせたガーゼで歯ぐきをふいてあげます。特に、一日の最後の授乳のあとにふきます。
- 最初の歯が生えたら、その日からフッ素入り歯みがき粉を米粒くらいの量つけてみがき、夜間授乳のあともきれいにしてあげます。
- 最初の誕生日までに、初めての歯科受診を予定します。最初の歯が生えてから6か月以内に行くとよいでしょう。
夜間授乳のあとに毎回歯ブラシでみがくのが難しければ、湿らせたガーゼで歯を一回ふいてあげるだけでも効果があります。赤ちゃんが寝ぼけてなかなか口を開けないときは、下くちびるをそっと下げて、前歯からふいてみてください。
赤ちゃんの歯ぐきをふくときは、手をきれいに洗い、ガーゼを指に巻いて、上下の歯ぐきと舌をやさしくなでるようにふけば大丈夫です。数秒で終わるので、授乳のあとのげっぷのように、毎日することにくっつけておくと忘れません。
これを全部お母さんひとりでやろうとすると、疲れてしまいがちです。赤ちゃんの歯ぐきふきや夜の歯みがきは、お父さんやほかの家族が担当しても十分です。役割を前もって分けておくと、習慣としても定着しやすくなります。
よくある質問
母乳育児をすると、赤ちゃんの歯がむし歯になりやすいのですか?
母乳育児はすすめられています。ただ、母乳で育つ赤ちゃんもむし歯になることがあり、特に12か月を過ぎてからの頻繁な夜間授乳はむし歯と関係があります。歯が生えたら、夜間授乳のあともきれいにしてあげてください。
授乳中ですが、歯科の麻酔をしてもいいですか?
はい。授乳中も、歯科治療や局所麻酔は受けられます。診察や処方の前に、授乳中であることを必ず伝えてください。
妊娠中にできた歯ぐきのこぶが、まだ残っています。
妊娠中に腫れた歯ぐきは、出産後たいていよくなります。時間がたってもこぶが消えない、出血が続くというときは、歯科で確認してもらいましょう。
歯が生えたら、夜間授乳をやめないといけませんか?
やめなければいけないという意味ではありません。授乳のあとに歯をきれいにしてあげることがポイントです。いつ、どのように減らしていくかは、初めての歯科受診のときに赤ちゃんの様子を見ながら相談してみてください。
赤ちゃんの初めての歯科受診では、何をするのですか?
治療よりも、お口の中や歯の状態を見て、みがき方や、授乳・おやつといった生活習慣についてアドバイスを受けるための受診です。赤ちゃんに合った歯みがき粉の量も、このときに一緒に確認してみてください。
こんなときは歯科へ
- 産後、体は回復したのに、まだお母さんの健診を受けていないとき
- 出産後も歯ぐきからの出血が続く、歯ぐきのこぶが消えないとき
- 妊娠中に先延ばしにしていた治療が残っているとき
- 赤ちゃんの最初の歯が生えて6か月たった、または最初の誕生日が近づいてきたとき
- 赤ちゃんの歯ぐきや舌に、ふいても取れない白い膜が見えるとき
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出典
- AAPD · Perinatal and Infant Oral Health Care (2025)
- AAP · Policy Statement: Breastfeeding and the Use of Human Milk (2022)
この記事の情報は一般的な教育を目的としたもので、歯科医師による診療に代わるものではありません。お子さまの状態については歯科医師にご相談ください。