哺乳びんをくわえたまま寝ない:哺乳びんむし歯を防ぐ夜間授乳のコツ
哺乳びんをくわえたまま眠ると、寝ている間にミルクが歯にとどまり、上の前歯からむし歯ができます。哺乳びんむし歯ができる理由と「授乳→歯をきれいに→寝る」の流れ、初期のサインをまとめました。
ひと目でチェック
- 哺乳びんをくわえさせたまま寝かせないで
- 夜間授乳のあとは必ず歯をきれいに
- 前歯に白い帯や茶色い点? 歯科へ
哺乳びんをくわえさせるとすぐに眠ってくれる赤ちゃんだと、その習慣を変えるのはなかなか大変ですよね。でも歯が生え始めたら、寝る前の授乳の習慣を一度見直すタイミングです。哺乳びんむし歯がなぜできるのか、どうすれば防げるのかをまとめました。
寝ている間、ミルクが歯にとどまります
牛乳や粉ミルク、母乳にも糖分が含まれています。起きているときはだ液がたえず流れてお口を洗ってくれますが、寝ている間はだ液が減ります。そのため、哺乳びんをくわえたまま眠ると、お口に残ったミルクが長い時間歯にとどまり、お口の細菌がその糖分から酸をつくって歯を溶かします。
このように、哺乳びんをくわえたまま寝たり、授乳しながら寝てしまったりする習慣でできるむし歯を、よく哺乳びんむし歯(乳幼児う蝕)と呼びます。このむし歯は上の前歯の歯ぐきに近いところ(くちびる側の表面も含みます)から始まり、あっという間に広がります。歯ぐきの近くから始まり、はじめは痛みもないので、見つかるのが遅れがちです。舌やだ液に守られることなどいくつかの理由で、下の前歯にはできにくく、たいてい上の前歯から始まります。
はじめは、上の前歯の歯ぐきに近いところに、チョークのように白く濁った帯や点があらわれます。この段階はまだ穴があく前なので、フッ素で進行を止められます。そのままにしておくと茶色く変わり、歯が欠け始めます。
母乳育児そのものはすすめられています。ただ、歯が生えたあとに夜通し欲しがるたびに授乳することは、むし歯のリスクになることがあります。授乳をやめましょうということではなく、授乳のあとに歯をきれいにすることを習慣にしましょう、ということです。
授乳して、きれいにして、それから寝る
寝る前の流れを「授乳→歯をきれいに→寝る」と決めてみましょう。
- 哺乳びんは授乳の時間だけにして、くわえさせたまま寝かせないようにします。
- 哺乳びんに入れるのは、母乳・ミルク・水だけです。ジュースや甘い飲みものは入れません。水であっても、哺乳びんをくわえないと眠れない習慣がつくと、あとでコップに切りかえるのが難しくなります。
- 授乳が終わったら、ガーゼか歯ブラシで歯をきれいにします。歯が生えていたら、米粒くらいの量のフッ素入り歯みがき粉を使います。
- きれいにしたあとは、抱っこや子守歌、トントンなど、飲ませない方法で寝かしつけます。
- 一歳ごろからは、夜間授乳の回数を少しずつ減らしていきます。
夜間授乳は一度にやめるより、少しずつ減らしていくほうが赤ちゃんにも保護者にも楽です。目を覚ましてすぐに飲ませるより、まずトントンして寝かしつけてみたり、一回に飲む量や授乳の回数をゆっくり減らしてみたりしてください。日中にしっかり飲めていれば、夜に欲しがることも減っていきます。
授乳中に赤ちゃんが眠ってしまったら、乳首をそっと外して、清潔なガーゼで歯をやさしくふいてあげてください。完璧にきれいにできなくても、歯の表面からミルクを取りのぞくだけで役に立ちます。
ときどき上くちびるをそっとめくって、前歯の表側の、歯ぐきとの境目を見てみましょう。ほかの面にもむし歯はできるので、気になるところがあれば歯科で診てもらいましょう。
よくある質問
母乳でもむし歯になりますか?
母乳育児は赤ちゃんにすすめられていることです。ただ、歯が生えたあとに夜通し何度も授乳して歯をきれいにしないと、むし歯のリスクが高くなることがあります。授乳のあとに歯をきれいにすることも一緒に続けてください。
哺乳びんを卒業すれば、もう心配いりませんか?
哺乳びんの卒業は大きな助けになりますが、コップに甘い飲みものを入れて持ち歩き、何度も飲んでいてもむし歯はできます。何をどのくらいの頻度で飲んでいるかも、あわせて見てあげてください。
眠った赤ちゃんを起こしてでも、歯をきれいにしたほうがいいですか?
わざわざ起こす必要はありません。眠ったままガーゼで前歯をやさしくふいてあげるだけでも、十分役に立ちます。
夜間授乳はいつまで続けてもいいですか?
赤ちゃんによって違うので、決まった時期があるわけではありません。一歳ごろから少しずつ減らしていくのがおすすめで、授乳を続けている間は、授乳のあとに歯をきれいにすることを必ずセットにしてください。
白い帯が見えます。元に戻せますか?
穴があく前の初期のむし歯は、フッ素で進行を止められます。早く見つかるほど簡単にケアできるので、すぐに歯科で診てもらいましょう。
こんなときはすぐ歯科へ
- 上の前歯の歯ぐきの近くが白く濁ってきたとき
- 前歯に茶色や黒い点が見えるとき
- 前歯の歯ぐきに近いところが黄色っぽくなったり、ざらついて見えたりするとき
- 歯が欠けたり、くずれたりしているように見えるとき
- 冷たいものや甘いものを食べるときに、痛がっているようなとき
必要な時期にお知らせで受け取りましょう
歯のカレンダーアプリにお子さんの生年月日(または出産予定日)を入力すると、これらの記事が必要な時期にお知らせとして届きます。無料で、登録も不要です。
出典
この記事の情報は一般的な教育を目的としたもので、歯科医師による診療に代わるものではありません。お子さまの状態については歯科医師にご相談ください。