親知らずのチェックはいつ? 10代半ば〜後半の健診と、抜くかどうかの判断
親知らずはふつう17〜21歳で生えてきます。必要なら、10代半ば〜後半の健診でX線写真を撮って前もって確認します。すべて抜く必要があるのか、どんなときにすぐ歯科へ行くべきかをまとめました。
ひと目でチェック
- 10代半ば〜後半の健診で、必要ならX線で親知らずをチェック
- 親知らずがあっても、すべて抜くわけではありません
- 奥の歯ぐきの腫れや、口を開けにくい? 早めに歯科へ
「親知らずは必ず抜かないといけないのですか?」「まだ生えていないのに、もう写真を撮るのですか?」。高校生の子どもがいる保護者からよく聞かれる質問です。親知らずがどのように育つのか、いつ確認して、何を見て抜くかどうかを決めるのかを順番にまとめました。
親知らずは見えないところで育っています
親知らずは、奥歯のなかでいちばん奥に、最後に生えてくる歯です。正式な名前は第三大臼歯です。上下左右のいちばん端にできますが、人によって本数が違い、まったくない人もいます。
親知らずはふつう17〜21歳でお口の中に生えてきますが、最後まで生えきらず、骨や歯ぐきの中に埋まったままのこともあります。でも、それよりずっと前からあごの骨の中で育っているので、外からは見えなくても、レントゲン写真なら形や位置を見ることができます。そのため、10代半ば〜後半の健診で、歯科医師が診察や成長の様子を見て必要と判断したら、パノラマX線写真(あご全体を一枚に写す写真)などで親知らずを確認します。年齢だけで撮るわけではありません。写真で見るのは、次の三つです。
- 本数:何本育っているか
- 向き:まっすぐ上がってきているか、斜めに傾いたり埋まったりしていないか
- 手前の奥歯との関係:すぐ手前の奥歯を押していないか
親知らずがまっすぐ生えて、上下がきちんとかみ合い、歯ブラシも届くなら、ほかの歯と同じように様子を見ることができます。反対に、スペースが足りず斜めに埋まっていたり、一部だけ歯ぐきから出ていたりすると、問題が起こりやすくなります。半分かぶさった歯ぐきの下に食べ物や細菌がたまって歯ぐきが腫れたり、みがきにくいために親知らずや手前の奥歯がむし歯になったりすることもあります。
健診のときに、こうして確認しましょう
親知らずのケアのポイントは、前もって見ておき、一本ずつ判断することです。親知らずがあるからといって、すべて抜くわけではありません。
- 定期健診のときに、「親知らずのチェックはいつするとよいですか?」と歯科医師に聞いてみてください。
- 写真を撮ったら、それぞれの親知らずがどんな状態か、様子を見るのか抜くのかを、一本ずつ説明してもらいます。
- まっすぐ生えてきれいにみがけるなら、様子を見ます。
- 様子を見ることになったら、定期健診のたびに確認してもらいます。親知らずは20代前半まで位置が変わることがあり、そのあとも変化が起こることがあります。
- 親知らずが生え始めたら、子どもに歯ブラシをお口のいちばん奥まで入れてみがく方法を教えてあげます。口をあまり大きく開けないほうが、歯ブラシが奥まで入りやすくなります。
次のような場合は、抜歯について相談します。
- 斜めに埋まっていて、手前の奥歯を押しているとき
- 親知らずのまわりの歯ぐきが、何度も腫れたり痛んだりするとき
- 親知らずがむし歯になったとき
抜歯が必要な場合、根ができあがる前に抜くほうが回復が早いことが多いです。ただし時期は人によって違うので、一人ひとりに合わせて判断する必要があります。受験の時期や部活のシーズンなど、家庭の予定もあわせて相談すると、時期を決めるのに役立ちます。
保護者がよくしてしまう失敗は、「痛くないから大丈夫だろう」と、歯科医師にすすめられた写真でのチェックを先延ばしにすることです。埋まっている親知らずは、痛みのないまま手前の奥歯に影響を与えることもあります。反対に、親知らずが見えるというだけで、急いで全部抜こうとするのも、必ずしも必要なことではありません。写真とお口の中の状態をあわせて見て決めるのがいちばんです。
子どもにも直接説明してあげてください。もうすぐ自分で歯科に通う年齢なので、自分の親知らずがどんな状態かを知っておけば、あとで症状が出たときにすぐ気づけます。
よくある質問
写真を撮るときの放射線が心配です。
歯科のレントゲン写真の線量はとても低いです。必要な写真を撮らずに問題の発見が遅れるほうが、かえって損になることがあります。なぜ必要なのか気になるなら、歯科医師に聞いてみてもかまいません。
友だちは四本とも抜いたそうですが、うちの子もそうすべきですか?
いいえ。親知らずは一本ずつ向きやスペースが違うので、判断も別々にします。まっすぐ生えてきれいにみがける親知らずは、残して様子を見ることもあります。
親知らずのせいで前歯の歯並びがずれますか?
これは意見が分かれているテーマです。矯正治療を受けたことがある、前歯の並びが気になるという場合は、かかりつけの歯科と相談してください。
まだ生えていないのに、前もって抜くこともありますか?
骨の中にあっても、手前の奥歯を押している、問題が起こりそうだという場合は、抜歯を相談することがあります。時期は根の育ち具合と子どもの状況を見て、一人ひとりに合わせて決めます。
こんなときは先延ばしにせず歯科へ
- いちばん奥の歯ぐきが腫れて痛むとき
- 口を開けにくいとき
- 食べ物を飲み込むとき、のどのほうが痛むとき
- 親知らずのまわりの歯ぐきが腫れることがくり返されるとき
- 親知らずや手前の奥歯によく食べ物がはさまって、においがするとき
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出典
- AAOMS · Management of Third Molar Teeth (White Paper) (2016)
- ADA · Eruption Charts (2024)
この記事の情報は一般的な教育を目的としたもので、歯科医師による診療に代わるものではありません。お子さまの状態については歯科医師にご相談ください。